【コラム】ご当地アイドルは成功しない。

とりあえず、結論を表題にしてみたけど。


最近は町おこしにアイドルユニットを作る動きも一般的になったけど、まず成功しないと思って欲しい。


何故ならそれは事業を所謂、目的であるAKB産業を逆算して捉えているからである。


AKBはそもそもご当地アイドルなのではなく、秋葉原の土地柄、文化を分析、理解して、ある事業者が興したビジネスプランのひとつであり、ご当地アイドルはそもそも自分達の土地柄をアイドルという形態に無理矢理落とし込むわけだから、確かに真新しくて一時期は上がるかも知れないが、長続きさせるのは難しい。モチベーションを保つのに尽力するくらいなら、町の特産品等を物産展で他の地域の人にアピールしたほうが余程長続きする。

何故なら、それは今までその土地柄が繋いできた血に受け継がれたバトンのようなものだから。


詳しく話すとAKBってのはアニメ、ゲーム文化が染み付いた秋葉原という土地柄に集まる人達に対して、その人達に合わせた新しいコンテンツを示した結果の成功例なわけだ。

そして、追記すれば、秋葉原の一等地に地域の人達から支持を得られるまで、劇場を作り、開け続ける資金力が無ければ成り立たないビジネスプランであったわけで、そのお金は多分五百万とか一千万単位の資金力だから、秋元康さんが出資者ではないだろう。

あの人はそのビジネスプランを成功に近づける要素「コネクションや経験」を沢山持っている、という部分では確かに「先導者」であるが、「始動者」ではない。


要は、出資者なくして成り立たないビジネスプランがAKBなわけで、それも土地勘、土地柄に見合ったビジネスを仕掛けなければお金があっても無理な話だから、誰でも簡単に秋元康さんになれると思っては、とんでもない勘違いを犯すことになる。

ご当地に合った町おこしをすればいい、という例で言えば、荒俣宏さんがプロデュースした、名古屋の戦国武将がご当地としては一番正しいパフォーマンスである。

名古屋の人達は金の鯱のある名古屋城に少なからず誇りを持っているし、結婚式の嫁入りの装飾とか、派手で他と違うことが土地柄として好きだ。

町おこしとして、目線が正しく、またお城は観光シンボルでもあるから、長続きしやすい。そもそも、そこにあるモチベーションを利用するのが、一番正しき町おこし、というわけ。


ってことで、真新しくもの目当てや所謂、宝くじ的な感覚でご当地なアイドルを作っても、タダでさえ町おこし、話題作りをしなければダメなくらいになってきている町の現状から、労力を他方に分散してしまうわけだから、かなりリスクの高い町おこしだと思ったほうがよい。


今、ご当地アイドルをやろうかと考えている土地の方がいらっしゃれば、今一度、自分達の土地柄をアピールするのに、本当にアイドルがベストな選択なのかを見極めて貰いたい。