【短篇】泣く日々。

幼い頃。

悲しい悲しい悲しいと

泣いて泣いて、泣いていた自分が居たよ。



母親はよしよしと慰めてくれた。

父親は泣いても何も変わらないぞと叱咤激励した。



泣いて泣いて、泣いてばかり居たら

いざ母親が亡くなった時に

泣けなくなってしまった自分が居たよ。



泣けることは幸せだから

泣かないで済む人は

泣くべきじゃない。




一番に泣きたいときに

泣けなくなってしまうから。